Geohistory 大地の成り立ち

隠岐諸島は、いったいどのようにして出来上がっていったのか?
何億年も続いている大地の成り立ちを紐解きます。

現在の隠岐ができるまで

隠岐諸島は、時代によってその姿を“七変化”させてきた歴史があります。
世界的に見ても珍しい不思議な生態系、隠岐ならではの歴史・文化が生まれる元となった、その成り立ちを解説します。

1

2億5,000万年前:ペルム紀ー三畳紀

大陸の時代

隠岐はかつて大陸の一部だった

2

2,600万年前〜600万年前:新第三紀

日本海形成の時代

「湖の底」から「海の底」へ

3

600万年前〜40万年前:新第三紀ー第四紀

火山島の時代

激しい噴火、そして隠岐の誕生へ

4

40万年前〜現在:第四紀

半島から孤島へ

本土と離れ現在の隠岐諸島に

隠岐の地質図からわかること

隠岐の大地は約600万年前に始まった火山活動によって誕生しました。現在の地表にはそれよりもさらに古い、海の底で形成した地層や大陸の一部だった時代に地下深部で形成した地層も分布し、約2億5,000万年前から現在に至るまでの情報をわたしたちに伝えてくれます。

地質図をみれば、
隠岐は①大陸の時代 ②湖や海の時代 ③火山島の時代 を経験したことがわかります。

1. 大陸の時代

隠岐は、かつて大陸の一部でした。そのことを教えてくれるのが、片麻岩です。隠岐の片麻岩は、約20億年前にできたが岩石が、大陸の地下にしずみこみ、約2億5千万年前に、高い温度で変化した岩石です。同じ時代の片麻岩は、中国大陸に広く分布していることから、隠岐は大陸の一部だったことがわかります。

2. 湖や海の時代

日本が大陸から離れていくさなか、隠岐があった場所には水がはいってきて、隠岐は湖や海の底になりました。そのことを教えてくれるのが、礫~泥岩、凝灰岩などです。の石たちからは、ワニ・サメの歯・浅い海に生きていた貝・やや深い海に生息する小さな生物の化石が見つかっています。このことから、隠岐は湖や海の底の時代を経験したことがわかります。

3. 火山島の時代

日本海が出来上がった後、隠岐は海底にある高まりの一部でした。そこで活発的な火山噴火が起こり、火山島としての隠岐が生まれました。そのことを教えてくれるのが、隠岐の大半に見られる、アルカリ玄武岩、粗面岩、流紋岩が代表する溶岩・貫入岩・火砕岩です。これらは、火山から噴出したものです。火砕岩には、噴火した現場付近の構造を見ることができます。このことから、隠岐は火山島の時代を経験したことがわかります。
こちらのイメージ動画をご覧ください。

年代 地質
半島ー孤島の時代
40万年前~ 段丘・現河川堆積物(礫・砂・泥)
火山島の時代
470万年前~40万年前 アルカリ玄武岩(溶岩・火砕岩)
内湾~河川堆積物(礫・泥)
700万~500万年前 粗面岩~流紋岩(溶岩・貫入岩・火砕岩)
粗面岩(溶岩・貫入岩・火砕岩)
アルカリ玄武岩(溶岩など)
石英閃長岩
砂岩など
湖や海の時代
2600万~1200万年前 礫岩~泥岩・凝灰岩・珪藻土など
安山岩など
大陸の時代
6800万年前 花崗岩
~2億5000万年前 片麻岩など