人の営み - 文化
隠岐古典相撲は、水若酢神社神社の20年に一度の遷宮である、屋根の葺き替え時に開催され、現代ではその伝統を引き継ぐため、公共事業の竣工などの際にも執り行われます。隠岐独特の様式がいくつもあり、最高位が大関、役力士には土俵の柱が贈られる、観客も一緒に塩を撒く、遷宮大会では三段重ねの土俵で行うなどがあります。
そのなかでも特筆すべきは、同じ人どうしで二番相撲をとり、はじめの勝者は次に勝ちを譲って一勝一敗にすることです。大関・関脇・小結の三役は個人ではなく、地域に割り当てられるため、一番勝負とした場合は地域どうしの遺恨が生じてしまいます。島の中で支え合うために生まれたこの仕来りから、「人情相撲」ともよばれます。