2025.04.07

【報告】隠岐の深海イベント実施

2024年12月から2025年3月にかけて隠岐の深海について学ぶイベントを3回行いました。講師は、島根大学隠岐臨海実験所で海の生きものについて研究している吉田真明教授です。

●12月14日(イベント1回目)…隠岐自然館で隠岐の島町内で捕獲されたリュウグウノツカイの剥製標本のお披露目を行いました。隠岐の海底は100mほどの浅い部分と3000m級の深海の部分が狭い範囲にあるため、時折深海生物が海面近くにあがってくる場合があります。

ヌタウナギやホオズキチョウチンの標本も展示しました。

その後、隠岐臨海実験所に移動し、深海生物の一種ヌタウナギの捕獲映像や実物を見て触ったりしながら、深海生物についての知識を深めました。顕微鏡を使って珪藻プランクトンの生体の構造を学びました。

塩の浜ではかつて隠岐が深海にあった時代をものがたる珪藻土を見学し、隠岐ジオパーク推進機構の地質研究員から島の成り立ちについての解説を聞きました。

●3月20日(イベント2回目)

隠岐自然館 特別解説dayと題して、講師の吉田教授が深海や海の生物について来館者に説明するイベントを実施しました。町内外から深海生物に興味のある人たちが訪れました。専門家に知りたいことを直接聞けるチャンスとあって積極的に質問が出ていました。

●3月30日(イベント3回目)

隠岐の海底観察会、船に乗って西郷湾に出て、海底の土砂をひきあげて観察するイベントを実施しました。ヨコエビの仲間、カイアシの仲間などとても小さな海底の生物を顕微鏡で観察し、体の構造やそれぞれの生物の役割を学びました。

保育園児から70歳代の方まで幅広い年齢層の方にご参加いただきました。参加者は顕微鏡からでしか見えない世界を体感しました。

このような海底の微生物の数や種類が減ると海の生態系は変わってしまうそうです。海の環境を学ぶ良い機会となりました。

※この事業は、海の学びミュージアムサポート支援金を活用して実施しました。