
独自の生態系 - 植物
本州(関東南部以南)から琉球列島、朝鮮半島の海岸にかけて分布する南方系の多年草(2年以上生存する草本植物)。隠岐諸島では知夫里島にのみ自生し、日本における自生の北限地として知られている。
知夫里島では8月頃に白い花を咲かせ、花は夜間に完全に開き、その時間帯に最も強く香る。種子は直径約2cmの球形で、表面はコルク質、内部はスポンジ状となっており、海水に浮きやすい構造を持つ。乾燥や水に対する耐久性も高く、海流に乗って分布域を広げる。
ハマオモトのような温暖な地域に生育する植物が知夫里島に分布している背景には、隠岐の地理的位置や気候、海流といった自然条件が関係していると考えられる。このような環境に支えられた分布は、南方系植物が北方へと広がる過程を示す象徴的な例といえる。
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分類
ヒガンバナ科
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分布
本州(関東南部以南)~琉球、朝鮮半島、知夫里島
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花期
8月