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ハイビスカスやオクラと同じアオイ科に属するハマボウは、海岸の砂泥地に生育する南方系の落葉低木(乾季や冬期に葉を落とす、高さ約3m以下の樹木)で、高さは1〜2mほどに成長する。7〜8月には、オクラに似た美しい黄色の花を咲かせる。種子は海流にのって運ばれやすい構造をもち、分布域を広げる特徴がある。隠岐諸島では知夫里島にのみ分布し、日本の自生地としては最北端に位置する。生育地は限られ、個体数も少ないことから、島根県の絶滅危惧種に指定されている。
ハマボウのような温暖な地域に生育する植物が知夫里島に分布している背景には、隠岐の地理的な位置や気候、海流などの自然条件が関係していると考えられる。こうした環境に支えられた分布は、南方系植物が北方へ広がる過程を示す象徴的な例といえる。
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分類
アオイ科
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分布
本州(関東南部・東海地方・紀伊半島・中国地方)・四国・九州から奄美大島。済州島(韓国)・中国東北部沿岸
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花期
7月~8月