Geohistory 2. 日本海形成の時代
2600万年前〜600万年前:新生代 − 古第三紀〜新第三紀
約2600万年前頃から始まった火山活動によって、隠岐と日本列島は少しずつユーラシア大陸から離れ始めました。引きのばされた大地はくぼみ、その窪地に水がたまり、大きな湖が出現して、隠岐は湖の底となりました。
その後も日本列島の分裂は続き、湖であった場所に海水が入り込み、現在のような日本海が誕生しました。この時、隠岐は深い海の底となりました。
ここに注目!01
「グリーンタフ」から発見されたワニの化石
日本海沿岸に広く分布する、およそ2000~1500万年前の川や湖で形成された地層「グリーンタフ」。含まれる火山灰の成分によって緑色をしていることが多いためグリーンタフ(緑色凝灰岩)と呼ばれています。
隠岐では、2008年の初夏、地質調査のために隠岐を訪れた一人の大学生が、この地層からワニの歯の化石を発見しました。この場所ではすでに、タニシや淡水生の二枚貝などの化石が見つかっていましたが、ワニの歯の化石が見つかったのは初めてでした。
ここに注目!02
「珪藻土」から発見されたサメの歯
地球上のほとんどの水のある環境で見られる、ガラス質の殻を持った植物プランクトンの一種で、死んで殻だけが水底に積もってできた地層、珪藻土。
この地層が、グリーンタフの上に重なっているのが隠岐の地層で確認ができます。
約1600万年前のこの地層からは、サメの歯の化石が発見されており、深海生物であるサメが棲んでいたということから、離れていった日本列島とユーラシア大陸の間にあった低地に海水が流れ込み、隠岐は深い海の底にあったと考えられます。