大地の成り立ち - 火山島の時代の岩石
マントルゼノリスとは、マグマが地表に上昇する過程でマントルの成分を取り込んだ岩石のことで、日本語では「捕獲岩」とよびます。島後の東海岸に分布する約400〜200万年前の玄武岩には、黒色の輝石や、黄緑色のかんらん石といった上部マントルを構成する鉱物が取り込まれています。地球表層「地殻」のさらに内側を構成するマントルを捕獲したこの玄武岩マグマは、地下数十kmの深さからもたらされたと考えられています。
地球内部からの贈り物ともいえるマントルゼノリスは、隠岐の他にも秋田県一の目潟や福岡県黒瀬など日本海沿岸地域でまれに見られることから、日本海の地下の構造を知るための貴重な手がかりです。