大地の成り立ち - 地形
カルデラ地形を成す島前には、田んぼに適した広く平らな土地が乏しく、それゆえ「牧畑」とよばれる独特の輪転式農業が栄えました。ところが、中ノ島北部には島前随一の商業的稲作を営むことができるだけの平地が広がります。海士町における稲作は豊富な湧水によっても支えられていますが、ここで起こった火山活動も不可欠な要素でした。
海士方平野とよばれるこの場所は、島前の大地が形成した当初は水深のある入り江でした。その後、約280万年前に入り江の出口にあたる明屋海岸で火山活動が起こると、噴出した溶岩が入り江の口をせき止めるとともに、土砂が堆積して埋立地のようになったのです。