大地の成り立ち - 火山島の時代の岩石
流紋岩は島後を代表する岩石のひとつで、西側の海岸や山の多くが約550万年前に噴出したこの岩石からできています。その名前のとおり、流れるような縞模様(流理構造)が刻まれており、白い岩肌は景観的にも見どころになっています。隠岐の流紋岩は、カリウムやナトリウムなどに富むアルカリ長石を多く含むことが特徴で、さらにアルカリ長石の割合が高いものは「粗面岩」とよばれます。有色鉱物に富む玄武岩や中間的な成分である安山岩の火山が多い日本列島において、流紋岩、さらには粗面岩でできた火山は多くなく、国内では珍しい岩石だといえます。
粘り気の強い流紋岩質マグマは、流出した溶岩があまり広がらず、高く険しい山をつくる傾向にあり、隠岐の急峻な隠岐の地形が生まれた一因です。